私は20年ほど前、ポメラニアンを飼っていました。当時のしつけの常識は、『叱ってしつける』でした。今のしつけの常識から考えると、とんでもないことですね。
叱ってしつけてはいけないのです。粗相をしたり、いたずらをすると叱りたいのは分かりますが、そこはグッとこらえどころです。
叱るしつけは昔のしつけ
現在、トイレトレーニングをするにしても、失敗しても決して叱らないようにとされています。
以前のしつけ法でしたら、粗相をした場所に鼻を押し付けて叱り、そこにしてはいけないということを教え込みます。その後、トイレに連れて行って、尿の臭いのしみ込んだティッシュなどを置き、そこでするように言い聞かせるものでした。何かいたずらをしたときも、きつく叱って、二度とすることのないようにしつけるものだったのです。これはあくまでも昔のしつけ方法です。
トイレの粗相で叱ってしまうと、排泄行為そのものがいけないことと学んでしまい、叱られることを恐れて、飼い主に隠れて排泄するようになってしまいます。これではいつまでたってもトイレトレーニングが完了しないどころか、犬にも飼い主にもストレスになってしまいます。
小さな子供は、おだてるとその気になって一生懸命頑張ります。犬も同じです。誉められると嬉しくなってまた誉められたいと思うのです。叱られるのが好きな犬などいないでしょう。叱ってしつけるのは、犬を萎縮させてしまうだけなのです。
怒ったり怒らなかったり
しつけをしていく中で、やむ終えず叱らなければいけない場面もあるでしょう。命に関わることだとどうしても叱ってしまいますね。そんなとき、毎回同じ態度で対応せずに、気分次第で怒ったり怒らなかったりしてはいけません。
しつけの一貫性の問題になりますが、同じことをやっているのに、昨日は怒られたのに今日は怒られない……これはやってもいい行為なのだろうか……犬が混乱してしまうのは当たり前です。
しつけを行うには、飼い主のしつけと犬に対する心構えをしっかりと持たなければ時間の無駄でしかないのです。
混乱させない
飼い主も人の子。感情的になることもあるでしょう。同じことをしても、昨日は叱ったのに今日は叱らなかった……などということがないようにしましょう。
家族の中で、それぞれのしつけ法が違うのも考えものです。お父さんは威圧的にきつく命令するようにしつけているのに、お母さんや子供たちは優しい口調でしつけている。出すコマンドも『お座り』だったり『座れ』だったりと統一していないコマンドだと、犬が混乱してしまいます。家の中で、どんなコマンドを使うのか決めて、家族全員が同じコマンドを出すようにしなければいけません。同じコマンドを出すことによって、犬の混乱を防ぐだけではなく、家族の中での順位付けにも役立つでしょう。お父さんはリーダーとして認めるけど、子供たちは自分より格下だと順位づけられないようにしましょう。あくまでも犬は家族の中で、一番下の順位でなければいけません。
しつけるときのポイントは、低い声で行うことです。高い声でコマンドを出すと、犬は遊んでいると勘違いして興奮したり、はしゃいでしまい、しつけどころではなくなってしまいます。
誉めてしつける
しつけのトレーニング中、失敗しても決して叱らず、できたときには大げさに誉めます。誉められると犬も喜びます。同じことをすると、また誉められると学習します。その繰り返しで、様々なしつけを覚えていくのです。
飼い主からしても、しつけが成功すれば嬉しいですし、成功して誉められる犬も嬉しいのです。こうして叱るよりも、誉めてしつける方がしつけの完成が早くなります。
叱りながらのしつけは昔のしつけと認識し、誉めるしつけで犬とトレーニングに励みましょう。

